その22 木挽寄席(3)
応援出演で、毎回お一人の真打に登場して頂きました。第2回から11月開催の9回までは、
入船亭扇橋:麻のれん、桂文朝:悋気の独楽、三遊亭円窓:さじ加減、古今亭志ん駒:お化け
長屋、柳家小三冶:千早ふる、桂小南:胴切り、金原亭馬生:ざる屋、の各師匠です。
そして12月の会には林家正蔵師匠に来て頂き、トリで紫檀楼古木を演って貰いました。
主として水野さんの顔にて、各師匠に出演して貰えましたが、何せお礼がたったの一万円。
それでも、多くの師匠方がこの会の運営方法をご説明すると、理解され、出演を了承して
下さいました。
中で11月ご出演の馬生師匠は、水野さんと私で日暮里のお宅へお伺いし、これまでの
番組をお話し、恐る恐る一万円の件をお伝えすると、暫く考えられて、「弟子たちが世話に
なっているので、時間が空いていれば出演するのは結構です。ただ自分がこの金額で出た
ことになるのは困るので、何も受け取らずに行きましょう」と、言って下さいました。
又、一年の一番最後に出られた正蔵師匠は、何も言わずに受け取られ、これは会に寄付
しますと、そっくり差し出され、お帰りになりました。
本当に多くの噺家さんに助けられ、何とか続けていった会でした。