その4 取材は名画座から
さて、情報を収集しようとしたのですが、手蔓のない落語については全くお手上げでした。
これについては、分かっている落語会に直接電話し、番組を教えてもらうことにしました。
最も情報が分かりやすいのは、映画でしたので、そこからのスタートにしました。
主として山手線を中心に、独立系の名画座をピックアップしリストを作成しましたが、これは
比較的簡単に作業が進みました。このリストを基に、手書きの見本を持って名画座の事務所に
飛び込み取材を敢行。どこからでも良かったのですが、理由も無く最初に行った所が、大塚駅
南口商店街にあった「大塚名画座・鈴本キネマ」の2館でした。両館の事務所を兼ねている
部屋に伺い、持参した物を見せたところ、「面白いんじゃない。情報は伝えるから、やってみたら」
と言ってくれました。
※前回村越さんとの出会いにSynchronicityと言ってみましたが、この語は無意識的に二人の
人間が同じ事を想う、ということなので私が言わんとすることとニュアンスが異なります。が、
大塚名画座の件もそうなのですが、「東京かわら版」の歴史において、当方で意図していなかった
のに、後から振り返ってみるとそれしかない最良の出会いが色々な局面で起きてくれており、
どう表現したら良いのか適当な語が思いつかないのですが、ただ単に結構な偶然とは言って
しまいたくない出来事がこの後も、数限りなく・・・。