その2 発刊まで
落語の情報誌を出そうと考えましたが、何から手を着けたら良いのか分かりませんでした。
当時は、今は無くなってしまった「シティーロード」が音楽の、そして「ぴあ」が映画中心の情報誌として存在していましたが、落語案内は殆ど掲載されていませんでした。
たとえば、この頃イイノホールで行われていた春風亭柳朝・古今亭志ん朝師の「二朝会」の
案内が数日前、新聞に数行載っても連絡先も出ていません。自分で調べてホールに
電話すると、主催者は別。そこで問合せ先を教えてもらい、やっとチケットの入手方法が
分かるという有様でした。
行きたいと思う人が希望する催しと簡単にアクセス出来れば便利だろうし、そのような需要は
多いだろう(これがそもそもの大きな間違いでしたナ~)、という極めて単純な発想でした。
落語情報案内を目的として発行しようとしたのですが、いかんせん落語家さんの連絡先も全く
知らず、情報入手のてがかりも無く、主にはそれまでストックしていた落語会のスクラップを
中心に、断片的に目に付いた資料を基に、少しずつ手探りで情報を入手していくしか方法が
有りませんでした。