第48回  

 柳家 さん光(やなぎやさんこう)

所属=落語協会
本名=小柏一(おがしわはじめ)
師匠=柳家権太楼
略歴=1993年5月入門して「太一」。1997年5月二ツ目昇進して「さん光」
出囃子=しょうじょう寺
生年月日=1968年10月15日天秤座申年34歳B型
出身=埼玉県上尾市
出身校=三橋幼稚園→大宮市立西小→上尾市立南中学(陸上部所属、スリムで走るのが速し)→県立鴻巣高校→早稲田予備校→早稲田大学法学部卒(落研所属、同学年の仲間に五街道喜助さん)
身長・体重・足の大きさ・視力=160センチ、73キロ、24.5センチ、左2.0右0.9、左利き
家族構成=父・母・弟。今は板橋区大山で一人暮らし
好きな洋服=かぶるものより前ボタンの服が好き。服を着た実感がわく。他のこだわりはない。靴は割とこだわるかな。たくさん持ってます、お出かけ用とか釣り用とか
好きな音楽=何でも聴くけど一番好きなのは60〜70年代のブルース
高座着=頂き物が多い。本物しか着ません。洗える着物は着ない。

今月のお客様は柳家さん光さん。

▼三平師匠

 小4の時、指扇のマルエツストアに来たんです。この頃は目立ちたがり屋だったので三平師の「この中で将来落語家になりたい人、手を挙げてー」との言葉にまっ先に手を挙げ、ステージに上がって三平師匠が耳打ちする通 りに「パンツ破れたよまたかい」のネタをやったら大爆笑。お醤油を2本もらって帰りました。それから大学で落研に入るまで演芸とは遠ざかるのですが、私を落語家に導いたのはあの時の三平師匠かなって、ふと思います。

▼トラウマ

 小5の時に大親友と教室の掃除をしろ、しないがきっかけで大喧嘩になりまして、それ以降、クラスの中心人物ではなくなりました。人生の暗黒面 を知ったというか。そのせいか今でも人見知りで自意識過剰気味。電車の座席に座れないし、人を待つのがキライ。誰かが俺のこと見てて「あっ、あいつ座りやがった」とか「あいつ、まだ待たされてやがる」と見られている気がして。

▼入門

 もう後がないように、師匠の家の近くにまで越し、やっと勇気を出して師匠のお宅に行きました。チャイムを鳴らすと「どちらさまですか」とか聞かずにいきなりドアが開いて、お化粧をした女性が出てきた。女性というのは家にいるときはお化粧をしないものでしょう、だから「あ・この人は師匠の家のお手伝いさんなんだ」と勝手に思い込み、入門したい旨を言うと「これからお客様が来るから、2時間後に改めて来て」と言われ、近くの大山公園で時間をつぶしているとホームレスに「あんちゃん何してるの」と声をかけられ励まされた。そして再び師匠宅へ。すると師匠の脇にさっきの女性が立っている。そこでようやく気付いたんです、師匠のおかみさんだということに。そして子供の家庭訪問で先生を待っていたからお化粧をしていたし、いきなりドアを開けたんだと。

▼師匠の手料理

 おかみさんが留守の時、師匠が台所に立っていたので「あっ、師匠私がやります」と言ったんですが「いや、いい」と言って、ドライカレー(のようなもの)を作ってくれたんです。私は食べる前、どんな味であろうとも「旨いですね、美味しいですね」と言おうと心に決めていたのに、一口食べたら、うん、まあ、その、味がアレだったので思わず「これ師匠が考えた料理ですか」って言ってしまったんです、ダメですね俺。そしたら師匠が小さく「うん」って一言。それからずっと無言で二人で食べ続けました。私は全部頂きましたが、師匠は残してました。

▼恋愛と私

 初恋は小3。ませたクラスメイトに好きな人を聞かれ、初めて意識した。中学ではクラスで班替えをするのに賛成したら、隣の席の女子に涙目で「小柏君は班替えしたいんだ…」と言われた。あれは惚れてたな、今思うと。初デイトは高2、入間川の土手です。今お付き合いしている人ですか?ええ、います。好みのタイプは自分から喋ってくれて、お酒につきあえる女性かな。

▼海釣りの魔力

 釣りは大自然には到底かなわないという負けの認識からスタートしてるんです。水面 を見つめているだけで幸せ。釣った後それを釣り上げるまでの時間がまた楽しい。月に1度位 のペースでアサダ二世先生や大瀬ゆめじ先生達と伊豆七島へ行くことが多いです。釣った魚は料理して食べます。アクアパッツァとかも作りますよ。池袋の行きつけの寿司屋「一心」に持ち込むことも

▼噺家実感

 「ピンポンも押さずに小さんの家に入っていってるよ俺」とか思ったら、あー噺家になったんだなーってしみじみ思った。小さん師匠は序列飛び越えて二ツ目にも声をかけてくれたりして、嬉しかった。柳家の新年会でも、真打の定位 置の席というか、そういうのがあって、そこに座るのが夢でした。柳家は他と何かが違いますよ。懐の深さというか、心地よさというか。年に一度しか会わなくても昨日会ってたみたいにすんなり会話ができるというか。二ツ目になった時もほんと嬉しかった。師匠も扱いをがらっと変えてくれたし、新年会では大先輩がトイレに立った時とかに、気さくに話しかけてくれて。小さん師匠が亡くなって、お正月の恒例行事がなくなっちゃった…さみしいですね

▽今後の予定

 浅草3月上席・昼、2土「若手落語家選手権」、8土「花形演芸会」、9日「鈴本早朝寄席」、13木「越後屋寄席」、15土「ルフロン寄席」、4月5日「大江戸台風族」

(構成=佐藤友美)
 


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